世界で最も利用されているCMS、WordPress(ワードプレス)。プラグインをインストールする事によってWordPressに標準搭載されていない機能を追加することができます。プラグインは世界中で山ほど開発されていて、2020年11月現在では55,000個以上のプラグインが公式サイトに公開されています。
初めてWordPressを使用する方や、WordPressにあまり慣れていない方はプラグインが多すぎて、どれを導入すればいいか分からない問題に必ずぶち当たります。
適当にプラグインを追加すればいいと思うかもしれませんが、実はプラグインを追加しすぎるとサイトが遅くなったり、プラグイン同士の機能が干渉してエラーが出たりと様々な問題の原因になることもあります。
また、間違ったプラグインを追加するとサイトのセキュリティの低下を招き、ハッキングのターゲットになることもあります。
この記事では自分のデジタルエージェンシー、そして海外のウェブ制作会社やデジタルエージェンシーが主に利用しているおすすめのWordPressプラグインを紹介します。
- 1. Advanced Custom Fields(カスタムフィールド)
- 2. Gravity Forms(フォームビルダー)
- 3. Contact Form 7(問い合わせフォーム)
- 4. Yoast SEO(SEOツール)
- 5. Yoast Duplicate Post(記事の複製)
- 6. Broken Link Checker(リンク切れをチェック)
- 7. WP Fastest Cache(サイトの高速化)
- 8. Autoptimize(サイトの画像の最適化)
- 9. WooCommerce(ショッピングカート)
- 10. Really Simple SSL(全リンクを自動SSL化)
- 11. Redirection(リダイレクト)
- 12. Sucuri(セキュリティ)
- 13. Wordfence(セキュリティ)
- 14. Updraftplus(バックアップ)
- 15. WP Mail SMTP(SMTPの設定)
1. Advanced Custom Fields(カスタムフィールド)
Advanced Custom Fields、通称ACFはWordPressの管理画面に独自のフィールド(カスタムフィールド)を追加できるプラグインです。WordPressの初期設定ではタイトルと本文しかありませんが、このプラグインを使用することによって、簡単にテキストフィールドやチェックボックス、画像フィールドなどを追加することができます。
Proバージョンも販売されていて、この有料版には無料版には付いていないフィールドタイプがあります。特にリピーター(Repeater)フィールドは繰り返しフィールドセットを作ることができるのでおススメです。
プログラミングの知識があまりないサイト運営者も、Advanced Custom Fieldsを使用することでサイトのコンテンツやフィールドを簡単に更新できるようになります。
2. Gravity Forms(フォームビルダー)
Gravity Formsは残念ながら無料版がありませんが、数あるWordPressフォームビルダーのプラグインの中で、一番機能が多いと言われています。シンプルなお問い合わせフォームはもちろん、マルチページのフォームや、回答によって違うフィールドや項目を表示させる条件分岐があるフォームなど、様々なフォームを簡単に作ることができます。
また、Gravity Formsはアドオンがたくさん公開されていて、データをCRMに自動に送ったり、PaypalやStripeなどの支払いゲートウェイが導入された商品購入や予約申込フォームなども作成できます。
3. Contact Form 7(問い合わせフォーム)
Contact Form 7は、数あるWordPressの無料フォームプラグインの中で最も人気があるプラグインです。開発者は日本人の方で、有効インストールは500万回以上もあります。
テキスト、メールアドレスフィールド、ファイルアップロード、チェックボックスなどのフィールドを設置することができ、HTMLやCSSなどの知識がない人でも簡単にお問い合わせフォームを作成することができます。
4. Yoast SEO(SEOツール)
Yoast SEOは、WordPressでSEOをするなら必ず導入したい無料のプラグインです。Yoast SEOをインストールすると、各ページのタイトルとメタデータの設定が可能になります。
Yoast SEOは独自のアルゴリズムで各ページの「文章の読みやすさ」を分析する機能があります。さらにターゲットキーワードを各ページに指定することで、SEOのスコアも計算してくれます。
XMLサイトマップを作成する機能もあり、ページ、カテゴリー、投稿者ページなど、どのページをサイトマップに記入するか設定ができます。
WordPressをSEO最適化するなら、このプラグインは欠かせません。
5. Yoast Duplicate Post(記事の複製)
このプラグインは管理画面から記事やページを複製できる機能を追加します。WordPressの初期設定にはないので、とても役に立つツールです。
6. Broken Link Checker(リンク切れをチェック)
あなたのサイトにはページからページへのリンク、または外部サイトへのリンクが貼ってあると思います。これらのリンクをクリックしたときにエラーページが表示された場合、そのユーザーはがっかりしてもうそれ以上サイトを見ることをやめてしまうかもしれません。
またリンク切れがあるサイトは検索エンジンからは「管理されていないサイト」と見なされるため、サイトのランキングに悪影響を与えると言われています。
Broken Link Checkerはサイト全体のリンク切れを見つけてくれる賢いツールです。さらに存在しない画像のエラーもリストアップしてくれるので、ぜひWordPressに導入したいプラグインの一つです。
7. WP Fastest Cache(サイトの高速化)
WordPressはCMSウェブサイトなので、初期設定ではユーザーがサイトにアクセスした時にページが毎回作成されます。データベースからコンテンツがロードされ、HTML、CSS、JS、画像などのリソースがサーバーからダウンロードされ、ページが表示されます。
WP Fastest Cacheは、ページをキャッシングしてくれるプラグインです。キャッシングとは、あるリソースやデータを保存し、ページがリクエストされた時にその保存されたリソースやデータを表示する方法です。
これによりサイトの読み込み時間が短縮されるので、サイトを高速で表示することができます。
8. Autoptimize(サイトの画像の最適化)
サイトの速度を向上させるためには、JSやCSSなどのリソースや画像ファイルを軽量化・最適化することが非常に重要です。しかし、複数あるJSやCSSのファイルや、サイトにあるすべての画像を手動で最適化することは、とても時間のかかる作業です。
Autoptimizeは、サイト全体のJS、CSS、画像ファイルを自動的に圧縮してくれる、とても便利なプラグインです。
圧縮以外にも画像にLazy-load(画像の遅延読み込み)を実装してくれたり、複数のファイルを結合してくれたりと役立つ機能がたくさん備えています。
9. WooCommerce(ショッピングカート)
WooCommerceは、WordPressにオンラインショップを追加するプラグインです。プラットフォームのデータを集めるサイト「BuiltWith」によると2020年1月には約380万のWooCommerceのサイトが運営されています。
デジタルファイル(ダウンロード販売)から商品まであらゆるものを販売することができ、通貨の設定、税率設定、配送料金設定、決済方法設定、レビューの表示、並べ替えとフィルタリング機能の追加など様々な設定ができます。セキュリティもしっかりしているのでWordPressで商品を販売したい方にはおすすめのプラグインです。
10. Really Simple SSL(全リンクを自動SSL化)
SSL(Secure Sockets Layer)はサイトをHTTPS化して、インターネット上の通信を暗号化するセキュリティー技術です。SSLがないサイトはGoogle ChromeやFirefoxなどのブラウザで「保護されていません」という警告がアドレスバーに表示されます。
よくある問題としてサイトにSSLがあるのにMixed Content(混合コンテンツ)のエラーが表示されることです。これはサイトそのものはSSL化されているのですが、画像、JS、CSSなどのリソースがHTTPのURLで提供されている状態です。
Really Simple SSLを使用すると、このようなリソースを自動にHTTPSのURLに書き換えてくれるので、簡単にMixed Contentエラーを防ぐことができます。また、HTTPからHTTPSへの自動リダイレクトも自動に導入されます。超軽量のおすすめプラグインです。
11. Redirection(リダイレクト)
サイトのドメイン変更、またはページを移転した際に、古いアドレスから新しいアドレスに自動転送の設定をする必要があります。
このプラグインを利用することにより、どのアドレスからどのアドレスに自動転送するか、WordPress管理画面から簡単に設定することが可能になります。
ユーザーはもちろん、リダイレクトはSEOにも影響するので正しい設定が必要です。
12. Sucuri(セキュリティ)
WordPressは世界で一番使用されているCMSなので、ハッカーの標的にされやすい傾向にあります。
Sucuriは、WordPressのセキュリティを強化してくれるプラグインです。無料版ではログイン履歴やサイト変更などのログ作成、マルウェアスキャン、整合性監視(FIM)などの機能がついています。
有料版はクラウドWebアプリケーションファイアウォール(WAF)が追加されます。DDoS、マルウェア、XSS、ブルートフォースなどの外部攻撃からサイトを保護してくれます。
13. Wordfence(セキュリティ)
WordfenceはSucuriと並んで多くのユーザーが利用しているセキュリティプラグインです。
WordfenceはSucuriと違い、ローカルに導入されるセキュリティで、クラウドサービスはありません。しかし無料版にファイアウォール、マルウェアスキャン、ブロッキング、ログインセキュリティ、ライブトラフィックモニタリングなど多数の機能を備えています。
14. Updraftplus(バックアップ)
UpdraftPlusは、最も人気のあるWordPressバックアッププラグインです。 自動バックアップで、Googleドライブ、Dropbox、S3、Rackspace、FTP、メールなどのリモートの場所にサイトのデータを安全に保存することができます。
また、バックアップからサイトを簡単に復元することもできます。 基本プラグインは無料ですが、追加機能と優先サポートを備えた有料プランもあります。
15. WP Mail SMTP(SMTPの設定)
WordPressの初期設定ではPHPメール機能を使用してメールを送信します。レンタルサーバーによってはこの機能が悪用に利用されることを防ぐためにブロックしていることがあります。また、メールが送れても、サイトとメールサーバーのIPアドレスが違う場合、迷惑メールになってしまう事がよくあります。
WP Mail SMTPは、PHPメールではなく、外部のSMTPサーバーを経由してメールを送信する設定ができます。これによりメールがサイトからではなく、信頼性の高いメールサーバーから送ることが出来るようになるので、迷惑メールとしてフィルタリングされにくくなります。