UX/UIとは?UXとUIの違いを分かりやすく紹介

ウェブ業界やデジタルマーケティングに関わっているとUXとUIという言葉をよく耳にすると思います。

でもUXとUIの意味をあまり理解せずに、間違って使用している人がとても多いです。

クライアントだけでなく、ウェブデザイナーやプロジェクトマネージャーなどウェブ制作に関わっている人も、「UXとUIはデザインに関する言葉」と理解している程度で、その違いが分からない方が非常に多いです。

たしかにUXとUIは、部分的に重なるところがあるので、区別するのが難しいかもしれませんが、それぞれには違った目的と工程があります。

この記事ではUXとUIの違いを分かりやすく紹介します。

UXとは

UXデザイン

UXとは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略で、日本語に訳すと「ユーザー体験」という意味です。

UXデザインはウェブ制作に限らず、サービスや商品のユーザー体験を良いものにデザインするプロセスです。

UXデザイナーは良いユーザーエクスペリエンスを達成するために以下のような事をリサーチし、設計します:

  • ユーザーは誰なのか
  • なぜユーザーはこのサービス・商品を利用するのか
  • このサービス・商品のゴールは何なのか
  • どうすればユーザーがより簡単にゴールに辿り着けるか

これを見て分かると思いますが、UXはスタートとゴールを設定し、そのスタートからゴールまでの道をスムーズにする事が役割です。

この道はユーザーやゴールによって様々です。例えば何千個の商品を扱うECサイトがあるとします。

このサイトの場合、以下のユーザーやゴールがあります:

  • 購入したい商品名を知っているユーザーが、簡単にその商品を見つけて購入できるようにする
  • 購入が完了したユーザーが商品の配送予定日を確認できるようにする
  • 購入するか検討しているユーザーに対して、なぜこのサイトで購入することが良いかプロモートする
  • 購入した商品に関して質問があるユーザーに対して、簡単にお客様サポートにアクセスできるようにする

その他にもECサイトにはUXが必要な個所が山ほどあります。

UIとは

UIデザイン

UIとは「User Interface(ユーザーインターフェース」の略で、ユーザーと機械、特にコンピューターとのやりとりをするためのインターフェース(画面)を指します。

UIはユーザーが触れるビジュアル面です。サイト上に表示されるバナー、ボタンの色、テキストに使われるフォントなどの「見た目」がUIにあたります。

先ほどのUXの例であげたECサイトを使うと、UIはこんな役割があります:

UXUI
購入したい商品名を知っているユーザーが、簡単にその商品を見つけて購入できるようにする検索ボックスを見やすい場所に配置する
購入が完了したユーザーが商品の配送予定日を確認できるようにする購入履歴ページへのリンクを分かりやすい場所に配置し、配送予定日を表示
購入するか検討しているユーザーに対して、なぜこのサイトで購入することが良いかプロモートするホームページと商品ページにサイトのユニークな強みをアイコンなどを使用して分かりやすくアピールする
購入した商品に関して質問があるユーザーに対して、簡単にお客様サポートにアクセスできるようにするサイトの全ページのフッターにお客様サポートの電話番号とEメールを表示する

UIはUXの一部?

先ほどのテーブルを見て「あれ?」と思われませんでしたか?

例えば最初のポイント

UXは「購入したい商品名を知っているユーザーが、簡単にその商品を見つけて購入できるようにする」

そしてUIは「検索ボックスを見やすい場所に配置する」

検索ボックスを見やすい場所に配置すると、ユーザーが簡単に商品が見つけられるようになり、購入できるようになる。

これはUXですよね?

UXとUIを理解すると分かってくるのは、UIはUXの一部と言えます。

両方ともユーザーに沿ってプラン・デザインする作業ですが、UXはどちらかというとコンセプトで、UIはユーザーに表示されるものです。

UXはUIよりも広い範囲をカバーすると言えます。

ユーザー体験を向上するには、良いUIが必須です。

なぜ近年にUXってよく聞くようになったか

自分は2000年頃からウェブ制作をしていますが、その頃はUXという言葉は使用されていませんでした。

多分、2010年辺りから急激に使用されることが増えていったと思います。

それまではウェブデザイナー、クリエイティブディレクター、サイトアーキテクト、マーケティング部などがサイトのプランニングをして、ターゲットオーディエンスの設定、サイトのゴール設定、そしてコンバージョン率最適化(CRO)をしてユーザーのサイト体験を最適化していました。

2010年辺りからUXデザイナーというポジションが増えてきた理由は「デザイン」というものが以下の理由で企業で重視されるようになったからです。

  • iPhoneのデザインによりデザインの重要性がハイライトされる
  • iPhoneやAndroidなどのモバイルにより、ビジネスのデジタル化が加速
  • モバイルアプリ開発が盛んに。スクリーンがPCより小さいため、ユーザーエキスぺリアンスがさらに重要になる
  • ウェブページがモバイル画面に対応するレスポンシブデザインもこの頃から増え始める

UXツールで有名なFigmaの記事によると、Atlassian、Uber、LinkedInなどの世界トップレベルのIT系企業は2012年から2017年までにデザイナーの数を大幅に増やしたと言われています。

UIよりUXのほうが重要?

現在はUXを重視しているビジネスが多いと思いますが、UX設計が完璧でも、それをユーザーの前に効果的に表すUIがないと良いUXはできません。

この2つのどちらが重要と比べるのではなく、UXの全体的なプランにUIを必ず入れてUXデザインをするべきです。